窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

M亮から電話。今なんの本読んでる?と訊かれた。
私が「名刀中条スパパパパン!!!」と、答えると、「アハハハハ、なんだそりゃ、アハハハハ」と、しばし笑っていた。
「名刀中条スパパパパン!!!」は、中条省平氏の読書案内である。案内というか、めった斬りというか。書名の通り、凄い切れ味。スッパリサッパリ斬りまくり。まことにスパパパパン。取り上げられている中には、なんだかんだ言っても私が好きな村上春樹の著書も何冊かあって、それはもうバッサリと。やあ、まあそうなんですけどねえ。そこまで言わずとも・・・。等と思いつつ、表紙や、扉、見返しにまで描かれている、しりあがり寿さんのイラストを見ては笑ってしまったりして。
特筆すべきは、本の作り方。久しぶりに手にとって嬉しいと思える本と出会ったように思う。しりあがり寿さんのイラストもそうだけれど、装幀がとても良くて「デザインしてまっせ!」というのでは決してなく、書店で実際にご覧になるとわかると思うのですけれど、隅々まで心配りがされている。装幀は、矢萩多聞さんで、なかなか興味深いお仕事をされている様子。
春風社のサイトから本を頼んで、感想をお寄せ下さいとメールが来たので、送ったらば、この本の担当の編集者の方からも直々にメールをいただいてしまって、恐縮であった。春風社の本で先に購入しようと思っていた本は別にある。それは、植物系の本で、おそらくそれも嬉しくなるような作りだと思ってワクワクする。ワクワクしながら、またサイトを覗いたら新刊も出る様子。ヤバイです。・・・・本棚を整理しながら、「もう本は当分買わない。」と、思ったのは、ちょうど10日ほど前のことだった。

名刀中条スパパパパン!!!

名刀中条スパパパパン!!!