窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

兵庫教育大学教授のF先生とともに、高橋由紀子さんの写真が飾られている経堂のイタリアンレストランへ行った。高橋さんの写真は、1年間月替わりで展示されている。今月は、木の肌の画像。パソコンでプリントアウトされたものが壁にピンで貼られていた。画像の大きさはA3くらいか。展示の仕方について、私たちはああだこうだと勝手なことを述べてしまい、帰りの電車の中で先生と反省した。
高橋さんは、木を通じて色んな人とコミュニケーションを持ちたいと考えているという。基本的には自閉している私は、木とは個人的な関係でしかない。木と自分・・あるいはもうひとりかふたり。ただそれだけ。だから、そのあたりのことはよくわからない。ただ、彼女の写した画像を、実際の木を見るように眺めているだけだった。私にはそれで十分なのだった。

経堂からお茶の水画廊へ。そこで画廊の I さんから、先日の假屋崎さんのテレビの放送の話を聞いた。今を時めく華道家の彼である。假屋崎さんがまだ今ほど売れていないころ、お茶の水画廊の貸し画廊部門(といったらよいのか)隣に建っている3階建ての蔵の淡路町画廊で、たしか初めての展覧会をやったのだ。番組内でその時の様子を再現するような感じのショットがあって、Iさんも出演されたという話。 当時( もう10数年前なのかしら)の彼の写真を見ると、黒縁メガネでショートカットが初々しい青年の顔。
今回久しぶりに画廊を訪れた假屋崎さんは、テレビでお馴染みのご自分の顔が大きくプリントされたバッグをお持ちで、Iさんは思わずのけぞったとか。