窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

顔は治らず。例年通り湿疹もひどく半ば諦め気分。しかし日光は避けなければならず、家賃を払いに行くときもキャップをかぶっているのでかなり怪しい雰囲気だ。大家さんに不穏な人に思われないように、門の前で帽子を取った。それでも年取った大家さんには、誰なのかわからなかったようだ。来月はメガネを外していこう。
午前中に出さねばならなかった手紙を書き終え、夜半に連絡せねばならなかった電話を二本して、ようやく落ち着いた。

版画と仕事のゲラ読みが続く。湿疹はリグロインが大きく関係しているものと思われる。部屋には恐ろしいことに換気扇がない。以前の家にいたときに買った窓用の換気扇は持っているのだけれど、版画の机の前には窓がない。壁をぶち抜きたいのだが一応借家だし、大家さんの娘の家から丸見えの場所なので躊躇している。よって冬の間は有機溶剤を吸いまくっているのだ。
萩原商店に電話をして、エコウォッシュとプレートオイルを注文した。かくかくしかじかでどんなものかということを、社長さんは丁寧に説明してくれてありがたい。リグロインを寒気の悪いところで使っているなんて、叱られそうでとても言えない雰囲気だった。プレス機を運んでくれたときの白髪の社長の顔を思い浮かべながら電話の声を聞いていたのだけれど、いつもイメージが一致しない。とにかく換気。寒くて猫に怒られようと窓を時々開けている。

ズブロッカを久しぶりに近所のスーパーで購入した。10年近く前はドンドン量が増えて、1日1本になったときにやめていた。棚の前で選んでいるときに、販売員のお姉さんに限定販売と言う新酒を勧められた。いくつか呑んでみたけれど、皆フルーティだった。青リンゴの様な味のものもあっていまひとつ。甘いのはどうも苦手。お菓子以外のものは、辛くないと。