窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

どうにか体調も小康状態。アメリカから来日している友人に買ってきてもらったエキナセアチンキを飲みながら、仕事。耳鳴りは止まらないけれど、他の雑音があまり聞こえなくてよいかもしれない。

色雁皮を探しているのだけれど、和紙屋さんには置いていない。仕方がないので、自分で染める。薄い雁皮は染めるのが難儀。板張りしようとすると、破ける。色もいまいち。私が使用している版画紙は、洋紙はハーネミューレ。刷り上がっても気に入らないと、勿論また刷り直し、紙がドンドン無くなるしお金もなくなる。
私が自分で紙を漉いたりしているのは、こだわりがあるからだろうと、誤解している人も多い。勿論、どんな紙でもいいというわけではないけれど、こうやって刷りを失敗した紙の余白が持ったいなから集めて漉き直しているのだ。もったいないから。ユーカリやその他の庭木で紙づくりをしているのも、ただ作る作業が楽しいだけで始めた。勿論、でき上がった紙に描ければなお良いのだが、これまで漉いたユーカリの紙は描きにくい。改良が必要。程よい厚みと色があるのでランプシェードなどに使用するのにはよいかもしれないが、別にランプシェードは作りたくないので、そのまま束ねておいてある。
そのうち、描けるかもしれないし、ランプシェードをつくるかもしれないし。まあ、そんな具合です。