窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

チューリップが咲いた。赤いの。他に黄色や白も植えたはずだけれど、まだつぼみ。
赤だけが、まるで絵に描いたように咲いています。
「どうだ!ちゅうりっぷだ!悪いか!」というかんじで、「ははあ、もうしわけありません」と言ってしまいそうなしっかりとしたチューリップだ。花の大きさもコブシよりも小さめで大変よろしい。
つぼみの時は、そそとして細くて愛らしいのだけれど、このところの気温の高さであっという間に太った花になる。……私も気を付けねば。

5月の半ば過ぎに個展を控えてクラクラするほど忙しい。毎日制作をして仕事をしてとマックの前と版画の机の間を何度も往復する。往復といっても数歩だけれど。

庭に版画の腐蝕液がおいてある。鳥飼さんから送ってもらった鳥の羽で、ソーダー色の硝酸液の銅版の泡を取り除いていると背中に陽があたって眠くなる。万年寝不足でなかなかつらい。