窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

萩原市蔵商店から、注文していたベルソーが届いたので、嬉しくなって写真を撮った。これまでベルソーを持っていなかったので、たまにメゾチントもどきをやるときは、ハーフトーンコームなどで版を作っていた。銅版を注文するついでに思いきって買った。結構高いのだ。この大きさで萩原市蔵商店で24000円ちょっと。文房堂ならもう少し高いはず。

萩原市蔵商店・・。昔、この家にプレス機を運んでくれたオジサン3人のうちの田英夫似の人が「萩原です。」と、言っていたので、その人が社長さんなのだろうけれど、市蔵さんなのかどうか不明。いつも気になるのだけれど、電話で銅版を頼むときに「貴方が市蔵さんですか?」と唐突に尋ねるのも気が引けるので尋ねていない。「はい、私が市蔵です。」と電話の向こうで言われたところで、だからなんなんだと思われそうだし。勿論、私はいつもそのことを思っているわけではない。銅版を注文するときや、なんとなく文房堂のカタログをめくっているときなどに、ふと思うのだ。「ウウ、訊いてみたい」と。

○○ゾウという名前で年齢を判断してはならない。私の友人の息子は、ヒコゾウという。3才くらいか。彼女はフランス人と結婚してフランスに住んでいる。外国では、おじいさんの名前を貰うことも多いので、次男は彼女のおじいさんの名前をそのままつけたのだという。HIKOZOU……フランス人はHの発音が下手で単語の頭がHだと、ア行になってしまう。だから友人の夫はその子をイコゾウと言う。「イコチャン。ネー」それはそれでいいような。