窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

外の猫たちのケンカの声に、家の猫は飛び起きて窓にへばりついて見張りをしている。精が出ることだ。おかげで窓を開けておかなくてはならず、寒い。閉めようとすると私の顔をじろじろと見るが、閉めてしまえば何ごともなかったようにストーブの前でくつろいでいる。改めてその姿を見ると、何だか一回り大きくなったような気もする。
最近は、かまってやらないとコピー用紙を入れている段ボールをかじって拗ねる。思い起こせば、昔は私の机の上の半分を占領して、私の仕事を見張っていたのだった。あの頃はまだ小さかったので乗る場所もあったのだけれど、今のような大きさではそれもかなわない。