窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

正月

2002年。ついこの間まで20世紀も終わり・・。なんて言っていたのに早いものです。

年が改まったからと言って猫世界にはなんの変わりもなく、朝にはアカが咳き込みながら縁側に登場した。水飲み桶の水も凍っているくらい寒い。これではなかなか風邪もなおらないねー。と声をかけると汚くなった顔をこちらに向けて目をしばしばさせている。

今年は年賀状が朝の8時くらいに配達されたので、返事を書いてそのまま近所に初詣でにいった。朝だったせいなのか、人出はいつもの年ほどではなく並ばないでもお参りができた。例年ならば街道沿いは車や人であふれているのに。

みそかに届いた「花様年華」のDVDをちらっとみる。特典に『夢二のテーマのチャプター」が隠されています。等ともっともらしく書いてあったのだけれど、特に目新しいものではなかった。王家衛の映画は、作っているうちにどんどん話の内容さえも変わっていくというので、完成した映画以外の場面がついているのではないかと期待していたのだけれど、そんなわけはなかった。マギー・チャンはまことに奇麗。クリストファー・ドイルの映像も美しい。王家衛の新作、「2046」は本当に今年封切られるのだろうか。

旧知の人達の何人かが電話をしてきたりして、あっという間に一日が終わった。足もまだ少し痛くて眠いお正月。振り向くと猫もストーブの前でドテッとしている。何だか狸の様相。