窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

台風で今日は水彩画教室は休講だった。生徒用のモチーフに家のニガウリを、と思って10コくらい採ったのだけれどおジャンに。昼夜とニガウリを食べた。

夕べは外にいる時間帯は雨はそれほどでもなかった。古本屋友達のKさんと近所のスーパーに一緒に行く途中で、Kさんが
「ねえ、この辺りの家って土のう積んでないけど、大丈夫なのかなあ。」と言った。
彼女の実家は確か杉並辺りで、そういえば以前水が出たことがあったようだ。
「土のうってこの辺りじゃ売ってないよね。使わないのかなあ。どこにもないよね。土のう。」
と、またKさんは言いながら、時々雨足が強くなる中で不安そうに周りの家を見た。
「売ってるよ。ホームセンターとかで。」
と、私が言ってもKさんは売っていなかったと言う。
もしやと思い、私は言った。
「ねえ、土のうって袋を売っているのよ。土は入っていないんだから。売ってるよ。」
「袋なのかー。売ってる時は。」
「そうそう、土は自分で詰めるの。」
「自分で。土をね。詰めるのね。」
独り言のように繰り返してからポカンと口を開いたKさんは、急に合点がいったように顔を明るくして
「だからだねっ!この辺は土が多いから、土が水を吸っちゃうから土のうを積まなくてもいいんだね。だから売ってないんだ。」
なんだか話が通じていないようだったけれど、彼女の疑問の大部分は解決したようだった。