窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

桜咲く。

去年の夏は、家の側の池のヒキガエルが少なかったように思う。普段なら今ごろ池には太い縄が何重にもとぐろを巻いているような、蛙の卵がうねうねと浅瀬に沈んでいるのだけれど、今年は池の底に堆積した落ち葉の隙間からのぞいているのが見えるくらいだ。
夕べラジオで小池昌代さんが、藤枝静男の田紳有楽を紹介していた。ずいぶん昔に読んだのだけれどありありと思い出す。本なのだから映像を見たわけではないのに。この池のような泥が沈殿した中に、お茶碗など沈めていたのだ。たしか。

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)


数日通らなかったら、目をつけていた脇道の土筆は全部採られていた。残念。

桜が咲き始めた。ポツポツと。そう言えば去年ドボチョン一家と花見をしたのは4月の1日だったか。あの時はほぼ満開だった。今年もこの分なら同じ頃に満開になりそうだ。週末は地元お花見也。