窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

猛獣使い

朝、縁側の窓を開けるのが怖い。猫がいるからだ。子猫4匹とこなつがおなかを空かして家をのぞき込んでいる。私の顔を見ると、こなつは牙をむいて威嚇する。おなかが減っていて子猫もいるからイライラしているのだ。網戸に向かってファーファー吹いて、爪を立てたり網戸に突進してくる。怖い。
私はおもむろに棒と水の入ったじょうろを持って、外に出る。そうしないとこなつが飛びかかってきそうになるからだ。動物園の猛獣の飼育係のようだ。なんで私が好意でご飯をあげた猫にこんな仕打ちをされなくてはならないのか。

それなのに、棒や枝で撫でると喜んで頭を擦り寄せてくるので不思議。