窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

近所のファミレスに入ったときのこと。一緒に行った叔母が席を立っている間、ぼんやりしていたら後ろの席を占めていた少年達の声が聞こえてきた。店に入った時に横を通りすぎながら見えた彼らは、中学の高学年か、高校1年生あたりか・・真面目そうな様子で無言でご飯を食べていた。塾の帰りと言った感じだった。今はもう皆食べ終えたらしく、何やら話をしている。一人の少年が「例えば今のこの時間は、前の時間の続きであるわけだから」というと、違う少年が、「今ここにいる自分は、未来の自分と果たして継続した自分なのかどうかというのは、証明できないと思うよ。」云々。おお、子供の頃に誰もが不思議に思う時間に対する思い。P・K・ディックでも読んでいるのかしら。
「だって、あの時ドラえもんはボタンを押して、前のドラえもんとのびたのとこに行ったわけだからさ。」
・・・ドラえもんか。いやいや、ドラえもんも奥が深い。私が小さい頃、テレビドラマの「タイムマシン」を見て、自分でも渦巻きを書いてその前でクルクル回っていたとのとは、えらい違いだ。