窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

山茶花

今日は水彩画教室。ここで授業をやるのはあと3回。校舎が2月一杯で閉鎖されてしまうのだ。宮前のキャンパスはとても良く手入れされていて、沢山の樹が植わっている。もう無くなってしまうからなるべく庭の植物を描いてもらおうと思い、今日は山茶花を切らせてもらってモチーフにした。山茶花はもう散り気味で風で花びらがハタハタとしていた。山茶花の向こうのテニスコートでは、テニスのクラスの人たちの元気な声がする。
生徒達が描いている間に、私は時々窓から外を眺めている。今年もたくさん実をつけた姫リンゴをヒヨドリが食べている。低く仕立てられた夏みかんの実も地面につきそうだ。
 入口の横の枯れた雑草の山の上で黒猫が寝ている。少し離れた場所には鯖トラもいて、2匹ともギュッとしっかりと丸くなっている。暖かい所を探して寝ているのだろうけれど、今日も薄日が射しているくらいで外は寒い。学校には何匹も猫がいる。管理人さん達が世話をしているのだ。学校が無くなったら猫達はどこへいくのだろう。寒い時期なのに心配だ。