窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

今日は秋雨という一日だった。公園の新顔らしき鴨のつがいは、池の真ん中に浮かんで、しきりに羽を嘴でこすっていた。油を塗っているのかしら。
雨が降って急に寒くなったのだけれど、まだ灯油は売りにこない。しかし、この辺りは一年中水曜の午後にアイスクリーム売りがやって来る。冬でも。
よって、今日も能天気な音楽とともにアイスクリーム売りの車がやって来た。「アイスクリーム、アイスクリーム・・・・こちらに5分ほどおじゃまします。」という声なのだけれどいつも徐行運転するわけでもなく、ただ素通り。夏でも。
暑い日にこのアイスクリーム売りの声が聞こえたとき、多少心が動いたものだったが、ぶ〜ん。と、車は行ってしまうので買ったことは勿論ない。歩合制のバイトの人が(どうせここは誰も買わん)と、思って運転しているのかも。わからないでもないが。