窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

肝臓

 先日、久しぶりにTからメールがあった。彼女は今はG社の編集者だ。沖縄生まれの彼女に初めて会ったのは2年前の青山の個展の時だった。その時はジーンズにペプシマンのキーホルダーをつけて男の子のようだった。しばらく会っていないけれど、多分今も変わっていないように思われる。しかし、ペプシマンは腰につけるには大きすぎると思ったけれど。私が「どうも体調がイマイチだったんよ。」と言ったりすると、彼女は決まって「肝臓っすか?」と尋ねる。その言葉は彼女にそのまま返したい。彼女は私がこれまで会った女性のうち5本の指に入る酒豪である。

 「お前はだいたい肝臓自体無いんじゃないの?」と、にわ氏に言われた。私も血液検査の結果を見ると不安になる。お医者さんは「うん、うん、このままの食生活を続けて下さいね。」と満足そうに私に言う。私は(いいんですかー?このままで・・)と内心思う。実は検査前の問診時に書かされた日常生活(食事や睡眠時間や飲酒の割合など)の項目は、怒られないように各項目増やしたり減らしたりして書き込んだのだった。