窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

 家の近くでまた京塚さんに遭遇。ゆっくり近づくと「ま〜ぁ。ま〜ぁ。」と言いながら、ゆっくり遠ざかり座っている。私はしゃがみ込み「こんにちは。」と言いながら、ずずずっと近づく。座っていた京塚さんは「ま〜ぁ。ま〜ぁ。」とまた遠ざかる。3回ほど繰り返していたら、路地の奥の家の辺りに行ってしまわれたので、結局写真は遠くから。
 そういえば、先日書店でみかけた町田康の新刊の猫の本にも、町田康が道で猫に出会ったときの自分を描写をしていた。遭遇したら、しゃがみ込んで話しかける・・云々。まあ、猫好きというものはおおむねそんなものである。以前村上春樹のエッセイにも、同様なことが書いてあった。村上春樹は「猫山さん」と呼びかけていたような記憶。「『猫山さん』はなかろう。」と、私は思ったものだった。