窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

重音学部

 大学時代の友人の一人Dが数年ぶりに電話をしてきた。しばらく音信不通だったのでどうしていたのかと思ったら、まあ何とかやっているという。電話の向こうの声は相変わらずだった。彼女と私は時々ケンカもしたけれど4年間思えばいつも一緒にいた。卒業後、彼女は結婚して関西に行きお互い生活も全く違うけれど、何年かぶりに会ったり話をしたりするとすぐに学生時代の親しさに戻る。音信不通だった間に何があったかなどをそれ程語ることもなく、今の自分たちの状態のままで。そういう友達は他に何人もいない。もっとも他の友人達とは日々連絡しているのだけれど。

 週末にやはり大学時代の同期の人たちが集まってライブをやることになった。重音楽部というハードロックのサークルである。これは軽音楽部に対向して名付けられたものらしい。その創立メンバーの伴さんが広島から上京してくるので、当時の人たちが集まるのだ。私は在籍していなかったけれど、連協も3ピースで出るというのでのぞきに行くことにした。おそらく20数年ぶりに会う人も多い。恐ろしいことだ。