窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

カリフォルニア

 駅へ向かう途中に一般の人は入れない森がある。水が湧いていて、黒い金網に顔を近づけると所々に水面が光っているのが見える。高いフェンスよりさらに高く色づいた沢山の木が見えて、その上にはスコンとした青空が広がっている。木の種類はなんだかわからないけれど広葉樹。日本の風景。もしも広葉樹ではなくてパームツリーを空の下に置いたらカリフォルニアのようだろうか・・。と見ている空に頭の中でパームツリーをコラージュしてみたけれど、やはり青さが違うようだ。日本の空はもっとぺっとりした青。ギュッと絞ったら滴が落ちるようだ。