窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

機嫌のいい猫

やっと版画が刷り終わる。私の場合、どこまでが仕事でどこまでがそうでないかわからないところもある。勿論版画以外の本などは、完全に「お仕事」なのだけれど。
 今朝は午前中曇っていたので、家中が冷えていた。1階は日当たりが悪いのでストーブをつけてもなかなか暖まらない。晴れていれば2階の日だまりで寝ている猫も、下に降りてきてストーブに向きあって固まったまま座っている。後ろ姿を見ても肩に力が入っているのがわかる。寒いと機嫌も悪くて、私が周りを歩くだけで睨みながら鳴く。「なによ。」と、尋ねると「フンッ」と鼻息を吐いた。午後になって晴れてきたので日だまりに布団を置いてやったら、「うわあい。」と言って助走をつけて布団の上にパフッと乗って御機嫌な様子だった。