窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

ちゃっかり

 今日は私が出た小学校の創立記念日だ。なぜかそれは覚えている。創立記念日で休みだったので改装したばかりの池袋の東武デパートに友達と行ったのだった。
 それは、さておき。夕べ夜遅くに家の前が騒がしかった。パトカーの赤いライトがクルクルと回っている。そのうち「夜分に申し訳ありません。小金井警察署です。」と、マイクを通した声がした。先日の武蔵境の殺人犯が逃げているのかしら。と一瞬思ったのだが、そうではなくて、2台しか入らない近所の地下駐車場の入り口に誰かが車を止めたままにしているので、その駐車場を使っている住人が車を入れられず警察を呼んだのだった。、警察官が何度も車のナンバーを読み上げているのに、誰も出てこない。駐車場の入り口にドカンと横付けするとはすごい。小一時間くらいしてから、「あたしんちの横にとめときゃいいわよ」と言う向かいの老婦人の声がした。彼女の声はものすごく大きいのだ。しばらくすると車を移動させる音がして、パトカーのライトも去っていった。
 朝、ゴミを出しに外へ出ると、ミラーに警告の札がついた件の車は、ちゃっかり地下駐車場の中に停まっていた。こういう場合、「ちゃっかり」とはなんとふさわしい言葉だろう。私がマックの前に座っている時。家のネコが鳴きわめくので立ち上がると、おもむろに私が座っていた椅子に上って丸くなろうとする。こういう場合も「ちゃっかり」だろうか。「ちゃっかり」の語源はなんだろうか。「うっかり」は「うかつ」からきているような気もするが、「ちゃっかり」は・・・語源辞典が欲しいこの頃。