窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

夜中に雪が積もっていたのに、起きたら晴天だった。先日の仕事や周囲の色々も絡んで、昼夜逆転している。布団を干して版画の刷り増し。
スペースの都合上これまで作った版画のエディションを全て刷るわけに行かず、足りないものは注文に応じて刷っている。刷りの場合、特に後から刷る場合は、職人に徹していて作り立ての時とはまた別の箇所が気にかかる。
「自分達は果たしてどうだったっけ?」と、記憶を辿る。色んな時代に抱えていた問題、疑問。いったいそれらを解決してきたのだろうか。鳥飼に訊ねた。「私たちは半端者のままきてるからねえ。」というようなことを彼女に言われ、ああそうなのだった。と、改めて思う。イレギュラーだということに改めて気づく。そうして、その中でもさらにイレギュラーな自分を思って、なんだかちょっと落ち込んだ。