窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

先日、鳥飼が来たときに、久しぶりに私の家の中で一番大きくて重い画集を引っ張り出して、一緒に見た。学生時代、学食の隅に業者が来て売っていたものである。ルネッサンス期やそれ以前の宗教画の大全。みたいな感じ。2冊で何と11万8千円。そうそう。36回分割かなにかで買ったのだ。これとともに、デッサン全集も売られていた。こちらの方が売れ行きが良かったようで、当時、友人達のアパートなどに行くと、本棚に陳列しているのを見かけたものだった。
学生時代はアルバイトばかりしていたのだけれど、そんな高価な画集にもお金を使っていたのかと、今さらながら感心する。感心はしたのだけれど、買ってから数えるほどしか開いていない。あまりに重くて、引っ張り出すのが一苦労なのだ。足に落としでもしたら、確実に骨を折る位の重さ。大きくて場所をとるので、売ってしまおうか〜、と、これまでに何度も思った。引っ張り出すのは、そう思いついた時くらいだった。そうして、中を開いてみて、やはり売らずに持っておこうと、ヨイショと押入れにしまうのだった。
神田の古本屋街では、この画集やデッサン全集をよく見かける。美大生だった人たちが、売ったものに違いない。みんなもう絵を描くのを止めてしまったのかしら。
選挙を前に久々に「朝生」を見てみる。イヤンなっちゃうなあ。相変わらず人の話を聴かずにワイワイと話しまくる人ばかり。顔も良くない。みんな悪相。大河ドラマの配役に当てたら、悪役の俳優だらけになりそうだ。しかも、大物じゃなくて、役名ももらえなさそうな、悪代官Aとかそういう感じ。見ているとどこにも投票したくなくなる。そういえば何を勘違いしたか、ラップかなんかのCD出した政治家もいたし。お笑いをねらっていたのかなあ。うー、でも行くけど選挙。