窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

先日、美容院へ行ったら猫が増えていた。元からいるのはクロネコのちびさん(7歳)シロネコのタンクさん(4歳?)の2匹で、まるで置物のような美しい猫なのだ。そして、3匹目に拾った新顔は白地にサバトラブチのクウタ君。この子が1歳になっていないというのだけれども、けっこう大きい。それでも拾ったときはヨレヨレ状態で、しばらく旦那さんが外で餌をやっていたそうなのだけれど、これでは死んでしまうと言って連れ帰ってきたという。
そのせいか、まだ子供だというのに苦労の後が顔にあり、やけに老けて見える。そうして他の子よりも人懐こく、撫でるとトロトロになって喜ぶので、私も嬉しくなって撫で回していた。まだ抗生物質を飲ませているということで、体つきも少し華奢だ。私がカットのために鏡の前の椅子に戻ると、次に来たお客さんにも撫でてもらって、足元に寄り添って寝ていて愛らしい。
家に帰って、我が家の猫を見ると、「フンッ!」と鼻息あらく私を睨んでいる。どれどれ。とばかりにクウタ君を撫でたように、撫でてみたのだが、手触りがまるで違う。・・・たくましい。あまりにたくましいので、撫でる手にも力が入り、ギュウギュウと肩を揉んだら、やにわに腕を抱え込み猫キックをして逃げていった。こわいっす。