窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

蒸し暑い一日。前橋では彼岸花が咲いたというが、私の庭では既に数日前から咲いている。今年はけっこう葉っぱも多かったので(彼岸花は葉だけが春先に出る)たくさん咲くだろうと思っていたのに、1本しか出てこなかった。
天候のせいか、暑くなったとはいえ例年に比べると、蝉の鳴き声は弱々しい。庭の木の低い所に飛びついた蝉が、逆さにぶら下がって隠れていたカマキリに食べられていた。思わず写真にとったが、私は虫が嫌いなので思いだすだけでも鳥肌がたつ。ならば撮らなければいいようなものだけれど、怖いものみたさというか。ああ、恐ろしい。
カマキリの食生活をとやかく言うつもりはないが、蝉などを食べたらお腹が一杯になってしまって、他の毛虫や害虫を食べてくれないのではないかと思う。

テレビで気象予報士が「明日も今日以上に暑くなり、関東地方は32度くらいになるでしょう」と言っている。その言い方が心なしか嬉しそうだったのは、何故だろう。ぜったいにはずれない自信があるからだろうか。今年は天気予報がはずれて、気象庁には抗議が殺到したらしい。私は特に天気に左右される仕事ではないから、何もそんなに怒らなくても・・・と思うけれど、天気が影響する仕事の人は、怒りたくもなるのだろう。

ところで、昨日、書いたことに付け加えることだけれども、私は人が美味いと喜んで食べてくれるのを見るのがとても嬉しいのだけれど、美味しいものを食べさせてもらうほうが、実はもっと嬉しい。今日は美味しいものを食べなかった。