窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

明け方まで版画を刷っていたが、8時に目が覚めたのでお茶の水界隈の用事を済ませてしまおうと、出かけた。コンタクトレンズを作ってから、額装屋さんへ行くと、シャッターが降りている。なんと。普通の日なのになんで休みなんだ。先日の電話での疲れ果てた職人さんの力ない声を思いだす。社員全員が借り出されて、いずこかで仕事をしているのだろうか。それとも、あまりのハードさに職人さんがみんな逃げてしまったとか。中で倒れているとか。

まあ、店の前で立っているわけにも行かないので、お茶の水画廊へ向かい、しばらくお茶を頂きながら何度か額装屋さんに電話を入れてもらったのだが通じない。画廊に版画を預けて、そのまま文房堂へ。今日の目玉は手動ローラーを買うことだった。一番小さい27センチ幅くらいで3万ちょっとなのだけれど、お店にあったのは30センチ幅のものからだった。これが4万ちょっと。ううう。しかし買うのだ。カードも使えるし。銀行の残高が不安だったけれども、インクを盛るときに付いてしまう線を思い浮かべてやはり購入。本当は皮革のが欲しかったけれど、10万もする。ああ、しかしこんなローラーをローラー専用の棚に入れて並べてある工房が欲しい。

家に着くころには疲労がピークとなり、だんだん胃が痛くなってきた。個展の時からの不摂生のためだろうか。それとも昼に食べた中華粥のせいだろうか。
しかし、帰ってポストを見るとSのさんからの本が届いていて、荷物を置いて片づいていない部屋にしゃがんだまま本を読み始めてしまった。あー、和む。胃や身体に入っていた力がすーっと抜けていくようだった。お礼のメールを書いたら、部屋を片づけなさいと返事が来たので、仮眠をしてからワインを飲み飲み部屋を片づけ始めた。これが終わらない。