窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

結局のところ寝不足がいけないわけ。今日の睡眠時間は4時間だったせいか、落とし物やら忘れ物やら。
まず手帳を失くした。これはおそらく学校のどこかに落としたのだろうと思われる。そうして、帰りに画材屋で買った1万円以上の刷毛を置き忘れた。
しかも、帰宅してから眠い頭で、「忘れっぽい」と言う話題を鳥飼にメールで返信していたときに思いだしたのだった。うう、最悪の気分。いったい何処まで持っていたのか・・・。かなりの重症である。
とりあえず、駅に電話をしてみると駅員さんが「最近、パソコンを導入しまして瞬時に忘れ物を検索できるようになったのですよぅ!」と、明るい声で言う。「では、まず何時の電車かわかりますかぁ?」と、尋ねられたのだが何となくしか思い出せない。忘れ物は何かどういう袋に入っているか。ということも、紙袋だったかビニール袋だったか・・・話しているうちに眠くなってきた。それでも、ようやく思いだして伝えたのだけれど、結局届いていないという。そう、電車の中ではちゃんと持っていたんだ。と、駅員さんの「申し訳ありませんでしたぁ。」と言う声を聞きながら、思いだした。
帰りに立ち寄ったスーパーだろうか。と電話をしてみるも、すでに閉店間際で誰も出ない。とにかく行ってみようと家を出た瞬間、駅の近くの喫茶店が思い浮かんだ。ああ、そうだぜったいに。机の下の棚に置いた映像が頭に浮かんだ。歩いて20分の道のりを、全速力で走り(いちおう)到着したときには既に店は灯を落としていた。覗くとお店の人たちが店の隅に集まっている。(怪しいものではございません)と、思いながらトントンとガラスドアを叩くと、女の子が出てきて刷毛の入った袋を持ってきてくれた。
ああよかった。地獄から天国である。足が痛い。