窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

一応原画を納めて久しぶりに世界堂へ。絵の具売り場は大混雑だ。いつものベレー帽のおじいちゃん軍団やオシャレなおばさま達に加えて、網タイツでガーター姿の緑色の髪の少女や金髪のお兄さん。油絵の具だらけの青いつなぎ姿の女の子。彼女達は受験の追い込みの新美の生徒だろうと思われる。
私は予備校はお茶美に通っていた。絵の基礎はここで学んだと言える。というよりも大学では実技を「お勉強した」ということはなかった。今はどうなのかわからないが、当時の造形大は実技の授業は自由だった。(と言うか放任)そのかわり学科の方の単位が厳しく、入学した当初は何故美大でこんなに学科をやらねばならないのか・・・という気がしたものだった。それに体育。当時造形大は八王子城址の手前にあり、体育の授業は山の中で行われた。山のあちこちに的が作られていて、それを探しながらアーチェリーをやり点数を競う。巣らしきものを踏んでバッタの大軍に襲われたり、蜂に刺される人もいたりで大変危険な授業であったが、山を下りた後のビールは美味しかった。