窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

淡路町画廊

先日淡路町画廊へ。ここで皆で集まるのはこれが最後なのだ。
私が着いた時にはちょうど坪川監督一家がみえていた。「アリア」のロケを淡路町画廊でもやったので。
坪川さんたちは蔦を。私たちは花壇にまだ残っている椿を挿し木用に切ってもらったり以前植わっていた桃の種を拾ったり、温い空気の漂う夕暮れにピクニックに来たように。
そんな私たちの雰囲気とは裏腹に、画廊の中は建物中の荷物が広がっていて大変なことになっていた。しかしそれでも私たちは骨董市を楽しむように呑気に物色。いらないすき焼き鍋をもらったりCDをもらったり、活版印刷の版をもらったり。蔵に思いを馳せながら擬宝珠を撫でて3階まで上がって久しぶりに梁をじっくり見る。連休だから工事もお休みで静かで、これが本来のここの空気と匂いだ。


そして内輪で画廊の中で飲み食い。桜の花びらを撒いたり閉廊とは全く関係ない話題(皇室話とか)で盛り上がったり。夜になってから外で飲み食い。最後は何でだかわからないけど近所の喫茶店に入ってカラオケ。そんなことに全く縁のないメンバーで25年めにして初めての出来事だった。A新聞社の石原裕次郎氏は凄かった。本物だった。この閉廊の集いで一番インパクトがあったことだった。