窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。


数日前の明け方。暑くて布団に起き上がったら、左側に置いた文机の所に、猫の形のものが走ってきた。黒い紙をクチャクチャにして象ったような猫。私は極度の近眼なのでよく見えない。手を伸ばしたら紙の灰が崩れるように細くなって消えてしまった。