窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

市川曜子展
12月1日(土)〜12月16日(日)
12:00 〜19:00 木曜休廊 最終日17:00まで

ぎゃらりー由芽 
〒181−0013 東京都三鷹市下連雀4-15-2-101
0422−47−5241
http://galleryyume.web.fc2.com

すばらしいフェルディナンド

すばらしいフェルディナンド (岩波ものがたりの本) ルドウィク・J・ケルン作


地元の古本屋さんでみつけて450円。
ポーランドのナンセンステール、ユーモア童話と言われるジャンルらしい。

犬のフェルディナンドが、ある日2本足で歩き始めて、仕立屋さんで洋服を作り、犬の品評会で審査員をしたり、空飛ぶエレベーターに乗ったりと、まったく奇想天外。
私のツボにはまってしまったのは、歯医者さんの待合室での会話で
順番待ちをしている心配顔の患者さんの老紳士に、フェルディナンドが「あなたはお手ができますか?」と尋ねる所。

「<お手>ですよ。たとえば、」と、フェルディナンドはいいました。「わたしは、右の<お手>も左の<お手>できますよ。」
「それじゃやってみてくださらんか。」
「なかなか、むずかしいんでしてね。じぶんには<お手>はできないんです。・・・

そうして、フェルディナンドは老紳士にお手をして、今度は老紳士がフェルディナンドにお手をして、患者さん達がみんなでお手をしあってうれしがる。という、なんだかよくわからない展開。

表紙のように正面からの顔は、ちょっとくたびれた犬だけど、お話の中では誰にも犬だって気がつかれない。
「ごりっぱ、ごりっぱ。」「すてきな紳士」なんて言われて。

そして一番魅かれたのが、キュートなカジミェシュ・ミクルスキの挿絵。


最近、東欧や北欧系のデザインやイラストなどのおしゃれな本が売られているけれど、これは初版が1967年。(私が買ったのは1974年4刷)イラストの配色にうなる。まったくすばらしいフェルディナンドだった。