窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

演劇

日曜にかりんちゃんが出ていた演劇「明治百話」を観てきた。学生時代は演劇をやっていた友人達と、状況劇場の赤テントや第七病棟など、花園や浅草には時々観に行っていたけれど、もうあれから随分時間が経ってしまった。黒テントは映像でしか観た事がなくて、今回上演された神楽坂の小屋がその黒テントのものだとは行くまで知らなかった。

かりんちゃんは劇中でもお琴を演奏していたけれど、演技の方もなかなかのものだった。彼女の役どころは薄命の芸者の役。啖呵を切る所もあったり、三味線を弾いたり(まあこれは本業だろうけれど)と、着物を着ての立ち居振る舞いが、役どころとは言え出演者の中でも一番奇麗だった。普段の「ウキャキャ」と、嬉しそうに笑う彼女とは違っていたのだった。


帰りは中川さん達と久しぶりに神楽坂を通って帰ったけれど、神楽坂もなんだかすっかり整備されていて、そうして日曜の夜で殆どの店は閉まっていたせいか、薬局などのチェーン店の大きな灯が目立っていてびっくりした。
私の高校の卒業式は九段会館であり、その後の打ち上げは神楽坂だったはずだけれど、いったい何処へ行ったんだったか全く覚えていない。しかし、なんで神楽坂だったのか・・・。
あの日は神楽坂へ行くまでの時間潰しに、神保町やお茶の水の線路沿いの喫茶店を友達とはしごをしたのは覚えている。お茶の水は、今も檸檬があるあの通りだ。茜壺とか、虎なんとか。とか。まだ今も残っているのは檸檬穂高くらいかも。その後私は浪人しお茶の水に入り浸ることになったのだ。