窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

先日本棚を掃除したら、黄色いメモ用紙の束が出てきて、それは10数年前に私がつけていた夢日記だった。
そこに書いてある夢は何度も反復した記憶があって、今でも映像をはっきりと思い出せるものも多いけれど、すっかり忘れてしまっているものもあった。

日付も書いてあるのだが、毎日ではなくて、ポツポツと飛んでいる。大体が1989年から1990年だ。
追いかけられて逃げている夢が多くて、けっこう長いものもある。その中には目覚めた時にハリウッド映画1本分を見たような気がしたものもあった。
その夢日記の最後のほうは、死についての夢が続く。飛行機事故のニュースを聞いていたら、Kちゃんの住所と名前が流れてきたり、Kちゃんはもうすぐ死んでしまうからと、夢の中で私が母に話していたり。そうしてその翌年から頻繁にそんな夢を見るようになって、実際その2年後にKちゃんは死んでしまって、私は夢日記をつけなくなった。


今朝方、久しぶりに夢を見た。いや、いつも見ているのだけれど起きた瞬間に忘れてしまうのだ。
今朝も、瞬間の映像しか覚えていない。夢の中で私は、大きなドラを叩いているのだった。叩く瞬間に目が覚めたのだ。それだけの夢だ。