窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

家の前の水路には、梅雨以降多少は水が流れるようになった。用水路は人口なもので下はコンクリートだ。この辺りは谷底のような地形で、一応水害危険区域らしいので水路は結構深い。その底の方を水が流れているという感じだ。水源は湧水ではないので普段の水量は少ない。それでも夏前に溜まっていた落ち葉はすっかり流れ去り、水は澄んでいる。


時々土煙のようなものがあがって、流れとは別に水面が波立つのはザリガニがいるからだ。
よく見るとワラワラと底を走るように移動している。所々の窪みからハサミが覗いていたりする。そんな様子をタロウやぎいやんは上から覗き込んでいるのだけれど、決して降りようとはしない。犬だったら飛び降りそうだけれど。

水面は家の中からは見えないので水面を涼むという感じではない。ザリガニ達を見るのも炎天下に立たないとだめだ。いずれにせよ涼むというのは不可能だ。この暑さでは。温度計が何処かへいってしまった。探すだけで汗をかく。