窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

ジャガイモ

台所の篭の中で芽が出てしまったジャガイモを春先に水路の向こうに埋めた。
普通のと、紅いのと。
紅い方は紫色の花が咲いている。普通の方は花も咲かないままでもう1週間ほど前から倒れてきていたので、少し早いきもしたけれど掘ってみることにした。


以前の家の庭は1年中陽があたっていて、ジャガイモだけじゃなくて何でも作れたけれど、水路の向こうは午前中しか日が当たらず、そうして竹とドクダミが群生していた。それらを抜いて、かき分けたところに埋めたものだから、たいして期待はしていなかったのだけれど、ベージュのコイモがコロコロと出てきた。



掘りあげた後の土はまるで篩いにかけたようにサラサラとしていた。すぐ隣に植わっている紅い方の根のあたりに手を突っ込んでみると、大きめの芋がとれた。とりあえずその苗はもう少しそのままにしておくことにして、とれたジャガイモで煮転がしを作った。
うす甘くてまことに美味しい。水路の向こうの通路を全部ジャガイモ畑にすればよかった。と、思うほどに・・・。