窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

以前の家の庭には、鳥の落とし物から芽が出てきて、3メートル以上の木になった。それは桑科の植物の様で、私はその枝から紙を作ったりしていた。
引っ越す時に挿し木にして植木鉢で持ってきたのだけれど、越してきたら軒先に同じ種類の木が既に生えていた。生え方や葉っぱは多少違っている気もする。こちらの方がより桑らしい。今年は小さな実もなった。しかし食べられる桑の実とはちょっとちがったようだった。
しかし・・・
虫がついた。以前の桑科の木にはつかなかったのだが・・こいつ。

蚕というには、小さくて痩せている気がする。少し前まで茶色かったのだが大きさはあまり変わらず1センチ5ミリくらい。もうこれは繭を作る寸前らしく、ずーっと同じ姿勢でここにいる。
繭もあった。

でもなんだかいまいち。既に穴が開いていて中が覗ける。怖いから覗かないけど。
繭らしきものは3個。1週間前には、10数匹の幼虫がいたのだけれど、今はそれも3匹くらいか。シジュウカラが来ていたので食べられてしまったのかも。
繭から糸を取るには、繭を茹でるのだそうだ。ううう。できない。こうして写真を撮っているだけでも、手の甲あたりから腕にかけて鳥肌がたっているのだ。