窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

2階の部屋のドアを取り外してみた。ドアが邪魔で階段の窓から風が入らなかったのからだ。取り外してみると、ドアは大きい。ノブはカギ付きで外れない。外したドアの置く場所に困った。ノブが外れればまだいいのだけれど、仕方がないので隣の部屋のタンスの後ろに押し込んだ。こうして少しずつ部屋が狭くなるのだった。
2階のその部屋というのは、3畳くらいでMac部屋にしている。夏はサウナのようで冬は極寒なので、機械にはあまりよくないと思うけれど、いたしかたない。私も長くは座っていられないほど暑い。けれど猫はあまり気にしていなくて、今も私と同席している。同席というのは文字通りで、私のMacの椅子で寝ているのだ。それで私は浅く腰掛けるほかなくて腰に悪い。3畳くらいの部屋にカギがついているというのも、なんだかおかしい。この家は上と下とを分けて貸していたこともあるらしいのだけれど、この3畳の息苦しい部屋でどうやって暮らしていたのだろうか。
そういうところが、家に来る友人達が「奇妙な家」と言うのだろう。アシカ君は私の前ではM亮ほどには「奇妙だ」を連発していなかったし、その後に来たときも「いやあ、落ちつくなあ。」と言っていたのに、鳥飼が私の家のことをアシカ君に尋ねたら、「おかしな家だぜー。」と、笑っていたという。