窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

 池

 近所の池のカルガモの子供達は、ずいぶん大きくなった。4羽。最近は親の姿が見えない。最後に見たのは10日ほど前だったか・・・池の真ん中で思い思いに泳いでいる子供達に背を向けて、親鴨は池の淵近くでうつむいて、嘴を半分ほど水に浸けたまま同じところをグルグルと周りながら浮かんでいたのだった。「子供達が大きくなってしいたげられたお父さん」といった様子だったが、その親鴨がオスだったかどうかは、遠くからではわからなかった。
 鴨も大きくなれば、蛙も大きくなった。まるでテナーサックスやチューバの管楽器の音合わせをしているかのように「ブォッブォッ」という声が池の周りのいたる所から聞こえる。それぞれ少しずつ音程が違う。姿を想像しさえしなければ、けっこういいのだけれども。公園をでて歩いていても聞こえるくらいだからかなりすごい。
 覚書をブログに移行して、色々と試してみたが、結局覚書のほうは「はてな」を使うことにした。アサブロの方は、作品系のものに変更しようと思っているのだけれど、まだ使い勝手が悪いのでそのままにしている。