窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

イチゴ

外出先から戻ったら、縁側にイチゴが置いてあった。もしやと思って電話をしてみると、やはり先日越していったお隣の奥さんであった。郵便物がまだこちらに届いたりしていないかと、立ち寄ったという。
縁側には、昨年は色々なものが置かれていた。大家さん一族が畑を始めたからだ。今の季節は畑には何もない。そうして、数日前から、この春以降の為に肥料がまかれている。よって、かなり匂いがきつい。農家は大変である。
もう春の気配だと鳥飼は言っていたけれど、私の家は寒い。しかし、今日近所を歩いていたら、すでに梅がさきはじめているではないか。このところ、外に殆どでなかったから気がつかなかったのだ。なんだか損した気分だった。