窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

一気に 秋が進んだ。「もう畑には作るものがないのよね。」と、大家さんが間引いた白菜をくれた。私は今週から規則正しい暮らしを心がけようと、昨日辺りから早寝をしている。で、朝早く起きるのだけれど、ボーッとしている。無理があるのでしょうか。やはり。
夕べSさんからメールがあり、現在開催中の彼女の回顧展には最終日辺りに一緒に行くことになった。場所は軽井沢。一泊してきたいところだけれど、なかなかそういうわけにはいかない。大宮まで私のところから1時間かからないので、おそらく軽井沢まで2時間半くらい。2時間半というと、結構な距離のようだけれども、学生時代、3年の時に引っ越す前は、毎日2時間半かけて大学まで通っていたのだ。1限めから講義がある朝は、新宿発の京王線高尾山口直通が無かったように思う。途中北野辺りで乗り換えて高尾からはバスに乗り、大学に着いたら3時間かかっていたときがあって、さすがに泣きそうだった。
「なんだか不思議よね。」と、K先生が大学の前の坂道を並んで歩いているときに言っていた。「こんな山奥に若い人達が大勢いて、制作しているなんて。」と。その頃は特に不思議と私は思わずにいたけれど、今考えれば確かに・・・。そんな中で、Sさんも私も学生時代を過ごした。

大学の先には、八王子城址公園があって、学生以外のバスの乗客は山歩きの格好の中年の女性が多かった。もう大学は移転してしまったから、あの辺りはのどかなハイキングコースになっているのかもしれない。