窯猫通信覚書

絵描き・銅版画で本の挿画等描いている市川曜子の銅版画日記です。

今回の風邪は年に一度ひくかひかないかのものでした。熱は7度から8度くらいが3日ほど続いていたのだけれど、市販の薬では下がらずに、木曜にはついに8度6ぶまで行ったので、仕方なく医者に行った。待合室ではすでに意識が朦朧としていて、診察の後すぐに点滴になった。しかしそれには解熱剤は入っていないらしく、私は身体の痛みに耐えながら、2時間熱にうなされて震えていた。
時折覗きに来る看護婦さんも、「処方する薬に熱を下げるものが出るからそれを飲めば下がるから・・ 」と気の毒そうにいうだけで、私の手を触って「ああ、これはちょっと・・・」と言って去っていく。ようやく点滴が終わって、私は解熱剤を飲むことだけを考えて、家に帰った。残っていたお粥を一口食べて、貰った薬を飲んで横になると、20分もしないうちに少し熱が下がり始めた。

ああ、しまった。熱が何度まで上がっていたのか、測ってから飲めばよかった・・と、布団の中でうつらうつらしながら思ったのだけれど、既に熱が下がり始めているのは、身体の痛みが薄れてきたことからもわかった。今、走ってみればまた熱があがるかもしれないなー。などというバカな考えがうかんだりしたのだけれど、もうあんなに苦しいのは2度と御免だと思う。
結局、仕事の打ち合わせは延期してもらって、家でじっとしていた。メールで送られてくるweb系の仕事の治しをちょっとやったりしていても、目まいがするので、とにかく病人なのだと言い聞かせ、寝たり起きたりしているうちにようやく普段の暮らしに。まだ咳が止まらなくなるのでしんどいときもあるのだけれど、まあこの程度はこれまでの辛さに比べたらなんということもない。